新・伊野孝行のブログ

タグ:企業の仕事

2020.7.21

近江八幡の思い出

イラストレーターでなんとか食べられるようになったのは8年ほど前。聞くところによると才能の寿命は、花開いて萎むまでおよそ10年といいます。あと2年ですか……短いものよなぁ。
しかし、パッと売れないまま8年が過ぎた。また聞くところによると、長生きの秘訣は売れないことだいいます。消費社会の生存競争で生き残るには、消費されないことも利するというわけでしょうか。

安土桃山時代の1585年に、現在の近江八幡市で創業した会社のブランド・ブックのお仕事をしました。なんと435年も続いてんですよ!
かつての名は「西川庄六商店」、現在は「メルクロス」という名で東京の日本橋に自社ビルを構えています。

西川庄六商店は今も昔も「商社」です。創業当時は全国的に流通させる仕組みのなかった時代。近江商人たちは、売り手よし、買い手よし、世間よし、といわれる「三方よし」の精神で市場を開拓し、経済活動を支えていったのでした。日本橋にやってきたのは江戸時代。

過去から現在、ビジネスに架け橋渡し続けて435年。そのノウハウを生かして未来世界にも架け橋を!
そういった内容で絵を描いたと思います。……今頃になってブログにアップしていますが、実は去年のお仕事です。なぜ、こうも遅れたか。それは単なる怠惰です……わたくしの……。

ちょうど去年の今頃、打診があったんです。
自分には企業案件の仕事が少ないので、あぁまたプレゼンにかけられて落とされるんだろうな、と思ってたら、すでにぼくの絵で行くことは決定していたので驚きでした。しかも、取材旅行にも連れて行ってくれるっつーの。

ここがかつての「西川庄六商店」です。絵にも取材の成果が生かされておりますね。

いいところでしたよ、近江八幡。
八幡山にロープウェイで登って、琵琶湖を望む。八幡山は、現在は石垣しか残ってないけど、かつては豊臣秀次が築いた八幡山城があった。

八幡堀は時代劇の撮影で使われるので、なんか初めて来た気がしない。

去年は暑かったねぇ。「たねや」で休憩。たこ焼きではなくて、あんこが入った餅なんだけど、美味いんだよ、これが。
晩ご飯はタクシーの運転手さんに教えてもらった「カメチク」という焼肉屋さんに行ったんですが、ここは「まる亀畜産」という牧場の直営店で、安くて美味い肉が食える。写真はありません。

この写真は、近江八幡の歴史資料館みたいなところで撮ったと思いますが、なんだったか忘れました。タコの盛り付けに目を奪われて。


大津まで足を伸ばしたついでに、「大津絵美術館」に。やや期待外れでしたかね。大津絵は素朴なのがいいので、この屏風みたいに、達者に描いちゃうと、もはや大津絵のいいところが何も残らない気がするんですけどねぇ。

さらに京都まで足を伸ばした時に見つけた瓦屋さんの店飾り。
取材が終わって、一人で東寺にいったんですが、あいにく仏像は見れませんでした。
たった1年前ですが、コロナ禍の今となっては、遠い昔のようにも思える、良き思い出です。