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伊野孝行のブログ

岡本”爆発”太郎

今.本屋さんにならんでいる「美術手帖」は今年生誕100周年をむかえる「岡本太郎特集」です。そのなかで全国に点在する岡本太郎のパブリックアートを案内する「岡本太郎ガイドブック」の扉、中にイラストレーションを描きました。「自分は誰だ?忘れた!」という名言を残した岡本太郎。きっと今「太陽の塔」を見たらこう言うに違いないと思います。(クリックすると画像は鮮明になるでしょう)

東京青山生まれの知人の話によると、小学校の帰り道に岡本太郎をみつけると「おーい、爆発タロ〜!」と叫んでからかってたという。そんな時の岡本太郎の表情を想像するのが楽しい。

実際、雑誌の連載でインタビューしに行ったことがある南伸坊さんによると岡本太郎は「守りの人」だったとおっしゃってました。確かに太郎の子供時代のエピソードは今で言う「自閉症」に近いものがある。しかしそこは岡本太郎。「攻撃こそ最大の防御なり」でもって人生と芸術を切り開いてきた。伸坊さんがインタビューに行ったら、岡本太郎はまずスクッと立ち上がり、あのポーズを決めたり、庭に出て行って、ツノがいっぱいついたお寺の鐘(作品)をガンガン叩いたりして、散々おどかしたりびっくりさせてくれた後、「僕がパリにいた頃、そうバタイユが…」「ブルトンが…」と語ってくれたそうであります。後日談として、伸坊さんが、他の人がインタビューした記事を眼にしたら(その人は事細かにレポートしていたようで)岡本太郎は全く同じ行動をとっていたそうであります。

岡本太郎がよくTVに出ていた頃「まったく約束事にとらわれない自由な人間」の印象を持っていました。でも、それはガードの強さが、逆にそうさせてたのかもしれない、ということだったんですね。岡本太郎の芯はどんな感じなのか、岡本敏子さんなら知ってるかもしれませんが、外側の岡本太郎だけで充分に面白い!から知らなくてもいいです。岡本太郎の作品って誰にも似ていないところがまず素晴らしくて、そのことは時代が経てば経つほど重要です。それにみんな可愛い。「今日の芸術は上手くあってはならない」とは言ったけど「可愛くあってはならない」とは言ってません。岡本太郎は生誕100年と言っても、昔の人じゃないし、映像にたくさん記録されている。テレビは特集する場合、人を呼んだり、再現ドラマを作ったりするが、実際岡本太郎がうつってる映像を、そのまんま流して欲しい。それだけでいい。そこでの岡本太郎がしゃべること、仕草、間合い、視線…などを見ているほうが、わかることがたくさんある。再現ドラマでわかりやすくストーリー仕立てで見せるほうが、余計にわからなくなるのではないか。松尾スズキ主演(ファンです)。まだ放送されてないので何とも言えませんが、けっこう似てました。

というわけで、おわりです。