伊野孝行のブログ

美味礼賛

2008年11月8日以来、旅行にでかけるとき以外は、かならず毎週火曜に更新してきたこのブログだが、ついに昨日、更新するのをわすれてしまった!そんなことは他の人にとってどうでもいいことなのだが、自分としては軽いショックを覚えたのでここに記しておこう。

えー、さて。今週は「たべもの」の絵でまとめよう。料理は毎日つくっている。でも、何も見ないで作るより、レシピを見ながらつくるほうが楽しいと最近は思う。自分流につくると、だいたいいつもの味になってしまう。町のちいさい食堂なんかで、おいしいんだけど、みんな味が似ているというのはこのためではなかろうか。

「小説現代」1月号の特集「美味礼賛」扉絵より。「おいしそうに」「にぎやかに」「いろんな料理を」という注文をイラスト・シェフはこなさなければいけないが、お味はいかがなものでしょう?料理の部分だけ描き方を変えたのは苦肉の策。おいしそうに描くのは僕にとってむつかしいし、たべものの絵自体得意ではない。アナザーバージョンとして下の3点を描いたが、若々しさが足りない、ということで却下であった。「煉瓦亭」で食事する池波正太郎。自宅でひとり自炊(まぜごはんを炊いている)する永井荷風。タラチリをつくる壇一雄と壇ふみ。

…ま、たしかに、昔の文士の美味礼賛ですな。30代のときは魚の鍋なんて見向きもしなかったが、タラチリなどの鍋の美味さにやっと気づいた昨今。下高井戸市場には魚屋が3店舗あり(そのうち「前田商店」の主人はスパイダースの2代目のドラマーだった人だ)お店をまわって切り身や白子をみつくろってチリ鍋をつくる。そして、しみじみと日本の冬を味わうのである。

あ、そうそう。毎週欠かさず更新していると言ったけど、盆と正月は休むことにしてるので、来週は更新しない!年明け6日にまたお会いしましょう。よいお年を!