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伊野孝行のブログ

日本橋百鬼夜行

きっかけは南伸坊さんが「月刊 日本橋」というタウン誌で連載している「シンボーの日々是好日」というエッセイ。クリックすると大きくなります。はい、読みましたか?この思いつきが日本橋商店街のおまつりで開催されることになり、先日10月25日にわたしも妖怪として参加してきました。何になろうかと悩んだあげく、琵琶牧々(びわぼくぼく)という妖怪になることにしました。世界堂や百均をまわって材料を集めて、作ります。ふだん絵を描いている時より楽しかった。ほとんど未体験のことばかりで、壁にぶちあたっては、そこで工夫を求められるという…。南文子さん曰く「プロジェクトX みたいだね」そうそう、まさにそうでした。スタイロフォームとかいう断熱材で形をつくり(電熱線やカッター、紙ヤスリ使用)、アクリル絵の具を塗って完成。裏面も自分の顔の形にあわせて彫り込みを入れたり、頭に固定できるようにいろいろ工夫しなければいけない。表より裏の方に難問はある。で、本番当日、お着替え室で袋から取り出すと、さっそく4本ある糸巻きのうち2本が折れていて、あせって修復。

ふと前をみると足立則夫さんがナメクジに変身中。足立さんはジャーナリストで「ナメクジの言い分 (岩波科学ライブラリー)」という著書もある。おぉ、顔を出したまま妖怪になるんだぁ…と心のなかで敬礼をする。南文子さん曰く「オムライス?」世を忍ぶ仮の姿(人間)から本来の姿に戻った妖怪たちが、山本海苔店のビル(お着替え室を貸してもらった)からぞくぞく登場。琵琶ぼくぼくは琵琶法師が化けた妖怪である。山彦(やまびこ)とお釜女も登場。ちなみに山彦というのはこういう妖怪だ。山にむかって叫ぶと、かえってくる声は、実はこの妖怪が出している。説明のいらない有名な妖怪、いったんもめんもやってきた!とりあえず記念撮影でもしとこうか。そこへ「ちわっす!おそろいだね〜。」とやってきたのがあばた面のヤカン小僧。「ちょっとうちの亭主どこほっつきあるいてんのよ〜っ!」と包丁片手にあらわれたのは、鬼ヨメ。…とその後ろから「あんた血の気が多いんだから〜、ほら、眼が血走ってんじゃないの〜」口さけ女がなだめる。口さけ女は意外に眼鏡がお似合いだ。ふと後ろに妖気をかんじて目をやると、そこにはテレビ仮面がいた。現代社会が捨て去ったブラウン管テレビの付喪神(つくもがみ)である。さすが路上観察学会の重鎮、林丈二さん。佇むだけで街角はシュルレアルな様相を呈しはじめる。「テレビになりきろうと思ってもテレビの気持ちってどんなのかわかんなかった…」はーい、みんなここに集合だよー、はーいこっちこっち。というわけで…みんなそろったところではいチーズ。左からヤカン小僧、鬼ヨメ、オカマ女、琵琶ぼくぼく、いったんもめん、山彦、蛇女、カエル侍、口さけ女、ナメクジ旦那(敬称略、名前テキトウです)。べつに我々は記念撮影好きではなく、後でも伸べるが、とにかく「写真とらせて、とらせて」コールがすごいのである。我々が現われれば、そりゃぁもう、街は大騒ぎさ!ちなみに奥の神社には結界がはってあって、妖怪たちは絶対に入れなくなっていた。子どもたちはすぐに戦いを挑んでくるのである。妖怪軍団もまけてはいない。一番の武闘派、鬼ヨメも出刃包丁で通行人に襲いかかる。鬼ヨメは襲いかかるだけでなく、キャベツの千切の手つきも披露していた。ものすごく手際がよかった。見よ、子どもたちの好奇心あふれる笑顔!街にくりだしてわかったのは、「スターとかアイドルとかって、ああいう気分なんだね。」ってこと。こっちを発見すると、その人の顔がパッと驚きと微笑みの表情になる。それで「いっしょに写真とってもらっていいですか」って言われる。手と手でハイタッチしようとしてくれる。すこしやみつきになりそうだ。しかし、慣れないことをやると疲れる。ひとまず休憩だ!琵琶ぼくぼくのかぶりものを外すと、そこには疲れきった琵琶法師がいた…。いったんもめんが山彦の頭をかぶって休憩している…。ややこしい…。やかん小僧が休憩時間にお茶を飲む。自分の鼻から出して……そして、飲む!なんだか飲尿健康法 を思い出させるひとこまである。さてもうひと仕事するか…。日本橋には「三重テラス」という三重県のアンテナショップがあり、ちょうどその前に三重県津市(ずばりわたしの出身地)のゆるキャラがいた。シロモチくん、という名前らしい。知らなかった。というわけで、また写真撮影会開始。カエル侍の決めポーズは鼻くそほじりだ。おっと仲間割れか!?鬼ヨメがいったんもめんを刺す!それを無視してカメラ目線の口さけ女!「なんてお名前ですかっ?」っていうのがここの子どもたちの定番の質問。しかし、ボク、ひとり人間が混じっているの知ってるかな〜?その人は妖怪オニギリじゃないぞ〜。

……以上、ハロウィンをぶっとばせ!!日本橋百鬼夜行のレポートでした。

最後はほんとの記念撮影。テレビ仮面はひと足先に人間にもどってしまったようだ。いやぁ〜、日々是好日ですなぁ〜。

妖怪出演者

(南伸坊さん=ヤカン小僧、南文子さん=鬼ヨメ、林丈二さん=テレビ仮面、足立則夫さん=ナメクジ旦那、二宮由希子さん=山彦、霜田あゆ美さん=いったんもめん、古谷充子さん=お釜女、タカコさん=くちさけ女、はなじりさん=かえる侍、足立さんの奥様=蛇女)