伊野孝行のブログ

倫敦の旅、その2

ロンドンでどこに行ったかというと、ほとんどは美術館です。美術館のことばかりだと、何かレポートを提出している気になってきますので、今日は「ロンドンあんなこと、こんなこと」で行きたいと思います。

◯気候…体感温度−2℃と聞いて、用心に用心に重ねて行ったが,東京の寒い日とたいしてかわらず。全員使い捨てカイロを持って行ったが,誰も使わず,捨てられず,持って帰ってきた。

◯サーチ・ギャラリー…牛のホルマリン漬けのデミアン・ハースト、巨大な赤ちゃん人形のミュエック、中国の「死体派」という恐ろしい名前の集団出身のスン・ユアンなどなど、とんがったアーティストを輩出してきたギャラリー。年中無休のはずが、行ってみたら休館中。ショック!!カフェだけはやっていて外から写真を撮った。尻から☆を出す女に「どう?一杯食わされた?これがサーチなのよ〜」と言われているよう。

◯地下鉄…ロンドンの地下鉄は初乗りが400円か500円くらいしたと思う。そのかわりタクシーは安かったけど。地下鉄は大江戸線よりもう少し小型。たまたまロシア人4人の若者の間に座ってしまったKさんを見ているのがおかしかった。頭突きをしていたロシア人は首が太く、ガツンガツンという強烈な音がしていた。酔った外人は迫力あって、怖い。Kさん曰く「なんで頭突きしてたかわかる?あれは女の子がおったからや」なるほど、その気持ちはわかります。

◯ブックアート・ブックショップ…ロンドンの「トムズボックス」と呼びたいお店。我々は15分くらい物色していたが手ぶらで出てしまった。軍配は土井さんの「トムズボックス」に上がった。

◯レストラン…イタリアンを2軒、モダンブリティッシュ料理を1軒、予約して行った。もちろんどこも美味しかった。ロンドンに行く前の打ち合わせで、ジャケットくらいは持って行った方がいいよ、と言われ急いで買いに行った。N君などはさも当然という風に,革靴も持って行く,と言っていた。でも実際は普段着の人も結構いた。あんなに言ってたN君が一度もジャケットを着なかった。A君はウォーターストーンズのカフェでお会計の際、こんなことしてましたよ〜。でも二人とも僕より年下なのにしっかりしていて、僕はずっと甘えていました。ありがとう!◯トイレ事情…ロンドンは個性的なトイレが多かったなー。水の流れる音も様々だった。下はシンプルなもの二つ。左のは簡易トイレみたいなもんだろうけど…。

◯日本料理…海外旅行でその土地の人が食べているものを食べる,それは海外でしか出来ない体験だが、外国の「日本料理」を食べる、これも海外でしか味わえない体験だ。そしてまことに興味深い味がする。最終日に行った「ハロッズ」のお寿司屋さんは、カウンターだけのお店だが満席で大繁盛していた。60代もなかばという感じのおじさんが握ってくれた。(店員はあと、日本人のおじさんと中国人の若者3人)手にはペラペラする素材のビニール手袋をしている。職人の命とも言える指先をあんなもので覆ってしまっては、とても寿司など握れない,と思うのだが手品のように寿司をにぎり、エキゾチックな盛りつけのお好み寿司を作って行く。このおじさんはもう10年くらいこっちにいるのだそうだが、なんでまたこんなところで寿司を握っているのだろう?英語は苦労しなかった?手袋をして寿司を握りたいんだろうか?人生をインタビューしたくなるような風貌をしている。日本人は味に文句を言うかもしれない。しかし箸を器用に使う外人達はとても楽しそうに食べている。外国映画の中に描かれる日本文化の中に入ったような不思議な違和感も、心地いい。異国の土地で人生を送るってどんなことなんだろう。サーモンが美味しくておかわりした。(つづく。来週はゴッホ展を中心に)