伊野孝行のブログ

CREAのART

文藝春秋社の雑誌「CREA」のアート特集に絵を描きました。最近、雑誌で美術特集、多いっすね。Pablo PicassoAndy WarholRembrandt  van Rijn葛飾北斎岡本太郎

お次ぎは、同特集のなかで、橋本麻里さん監修の「古今東西、4つの作品でアート史がわかる!」というコーナーに描いたもの。西洋美術史1、古典美の理想は人体にあり(ギリシャ彫刻)西洋美術史2、神の美から人間の美へ(ルネサンス)西洋美術史3、画面を支配する同時代の政治家(ダヴイッドによるナポレオン)西洋美術史4、芸術の芸術性を証明せよ(デュシャン)日本美術史1、世界標準の美との邂逅(百済観音立像)日本美術史2、融合する和と漢(狩野元信)日本美術史3、革命家、千利休日本美術史4、絵画の全技法を統合(円山応挙)

「4件でわかるわけないだろ!」と突っ込まれそうなのは承知の上らしいのでくわしくは是非「CREA」をお読みください。「CREA」7月号は只今発売中

村上隆さんが日本のおたく文化を世界のアートにしようとした企てが見事に当たり、世界のアート市場(ものすごい額のマネーが動く金持ちの買い物)の実態を知るにつれ、単におもしろいとかおもしろくないの次元の話ではないらしい…ということはわかった。一方、金回りのわるい下界では、アニメ風イラストが隆盛を極め、いろんな垣根をなぎ倒していく。おかげで世の中がずいぶん平たくなってしまったかんじがする。よくもわるくも。いまさらアートとイラストレーションの違いを問うのは、実感として不毛。イラストがアートでないことを証明せよ、といわれてもできっこない。垣根がなくなることを望んでいた面もあるけど、いや、こういうことじゃないんだけどなぁ、ともらしたい不満もある。 そういうときには小村雪岱を思い浮かべる。ああいう態度で仕事に臨めばいいんだなと思う。たぶん小村雪岱は自分の中に垣根を作らなかったからあの絵が描けた。挿絵であり、イラストレーションであり、モダンデザインであり、アートであり、つまりジャンル分けするのが無意味に感じる仕事をした大芸術家なんだけど、なんで日本美術史での扱いは無いに等しいのだろうか。