伊野孝行のブログ

最近の挿絵、デッサン

毎度言ってるが、あらゆる仕事の中で、小説の挿絵が僕にはもっともむつかしい。他の仕事とくらべると打率が落ちる。そして挿絵は他の仕事とちがって、伝統なのか編集者からの注文もほとんどない。したがってラフを見せることもない。どの部分を絵にしようがこちらの勝手。これほど自由度の高い仕事もめずらしい。言い訳ができないということもむつかしいと思う原因かな…。

今のぼくの挿絵の描き方は、小説を読んで頭に浮かんだ絵をデッサンする、という単純なもの。デッサンという言葉の使い方は諸説あるだろうけど、「ものの見方を実現する」のがデッサンだと思う。なので「正確なデッサン」というのは、自分のものの見方に正確であるべきで、形が狂っていてもそのこと自体には問題はない。問題はものの見方があるかどうかのほうだ。……なんだか書いてるうちに、大風呂敷をひろげてしまって画像をアップしにくくなってしまった。今回載せた絵も、そんなにうまくいってないし、気に入っているわけでもないのだが、毎週火曜にブログを更新しているので仕方なく載せるのである。木内昇「球道恋々」第2回扉絵(小説新潮)木内昇「球道恋々」第3回扉絵(小説新潮)木内昇「球道恋々」第4回扉絵(小説新潮)平岡陽明「寺子屋ブラザー篠田」扉絵(オール読物)平岡陽明「寺子屋ブラザー篠田」(オール読物)赤川次郎「鼠」シリーズ扉絵(野性時代)赤川次郎「鼠」シリーズ扉絵(野性時代)赤川次郎「鼠」シリーズ扉絵(野性時代)