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伊野孝行のブログ

東海道五十三次その②

「日本薬師堂」でサプリメントを通販で買うと、いっしょに送られてくるオマケ「東海道五十三次」を描いている。江戸時代の老夫婦が日本橋から京都まで旅をするというコンセプト。絵は広重の「東海道五十三次」を模写(といってもかなりテキトー)してその中に老夫婦が入り込んでいるという具合だ。画像はクリックすると大きくなります。その①では「三島宿」まで進んだので、今回は続き。
ちなみに日本橋から三島まではコチラで見れます↓
孝行ゑがく東海道五十三次その①

「沼津宿 黄昏図」

その①ではぼくが、学生時代に東京から実家まで歩いて帰ろうとした話でつないでいたが、三島からさきは東海道本線に乗ってしまったので、書くべきネタがない。仕方がないので今回は「余は如何にして時代劇好きとなりし乎」でも聞いてもらおうか…。「原宿 朝之富士」

いや、時代劇好きだなんて言ってマニアックな人間を想像されると困る。時代劇ならなんでも好きかというとあたりまえのことながら全然そうじゃないし。テレビの時代劇でいちばん好きなものをあげるなら『雲霧仁左衛門』(1995年の山崎努主演のものに限る)。これはフジテレビの『鬼平犯科帳』の枠のドラマで、『雲霧仁左衛門』を見てぼくは時代劇で二度目の開眼をした。子供の頃からなんとなく好きだったマゲものを、「絵にしてみよう!」と思ったきっかけだ。「吉原宿 左富士」

『雲霧仁左衛門』を見たときはカルチャーショックだった。プロデューサーも監督も役者もスタッフも、新しいことをやってる気概で満ちみちている…そんな風に思えたし、実際、同業者からも賞賛をあびたドラマらしい。それなのに最後の2話がオウム事件の特番の影響で放送されないまま、打ち切りのようになってしまった。よけいにぼくのこころはあとを引いた。「蒲原宿 夜の雪」

『雲霧仁左衛門』の後枠は渡辺謙主演の『御家人斬九郎』だったが、これもおもしろかった。(あの頃の渡辺謙はよかったなー。最終話では自ら監督もやっている)

まだぼくが喫茶店で働いている頃の話だが、あるとき30代の女性二人がカウンターに座った。そのうちの一人がおもむろに「あたしさー、時代劇のなかでいちばん好きなのは〈雲霧仁左衛門〉なんだー」ともう一人の女性に話しかけた。なにか夢でもみている気分だったが、このドラマは確実に若い世代の心もつかんでいたのである。そのとき、ぼくはそのお客には話しかけなかった。控えめな性格なので。

そうそう『雲霧仁左衛門』はその後10年くらいたってDVD化したので、ようやく全話見ることがかなった。「由井宿 薩埵峠」

子供の頃は、昼間にやっている再放送をよくみていた。妹や近所の年下の友だちを集めて鑑賞会をしたこともあったが、みんなきっと忘れているだろう。時代劇の最大の敵はマンネリである。子供の頃に見た数々のドラマもマンネリ化したものだったろうが、そのへんは子供なので新鮮に思えてしまう。うちのとなりに祖父と祖母が住んでいて、おじいさんは北の湖と『座頭市』がことのほか大好きだった。いつもムスッとしていておじいさんとはほとんど会話をした記憶がないが、相撲と『座頭市』はよくいっしょに見た記憶がある。今、相撲と勝新太郎が好きなのは、そのころのすり込みだろうか?「興津宿 興津川」

おっと、偶然にも東海道五十三次の絵に相撲取りがあらわれた。それはさておき、さきほどマンネリと書いたが、日本映画の黎明期、目玉の松ちゃん(尾上 松之助)のころから時代劇はい〜っぱい作られてきている。時代劇黄金期の片岡千恵蔵でさえ、すでに「時代劇はマンネリと闘わなくちゃイカン」みたいなことを語っていた。「江尻宿 三保遠望」

時代劇二度目の開眼をしてから、昔の日本映画なども見るようになったが、初期のころのほうがおもしろいものが多い。いや、これは厳選され今に残っているものを見ているからで、当時もつまらないものもいっぱいあっただろう。でもやっぱり、作ってるほうの新鮮さは初期に限るのではないだろうか。伊藤大輔監督、大河内傳次郎主演『御誂次郎吉格子』は無声映画だけど(だから)めっちゃおもしろい。この映画は、友だちから絵コンテに描き戻す作業をたのまれて、描いてあげたことがあるのでよく覚えている。「府中宿 安倍川」

NHKの「タイムスクープハンター」はテレビをつけてやっているとつい見ちゃう。実際の髷がどんなものなのか興味があるし、新しいことに挑戦していておもしろい、というかすごく笑える。実際、やらせるのがすごい。やはり頭の上にはカマボコみたいな髷はのっかっていない。時代劇は様式美だけど、実際は垢じみて乱れていたんだろうな。しかし、相撲取りが大銀杏をきれいに結い上げると、やはり様式美でかっこいい。引退して髷をおとすと、とたんにかっこ悪くなる。やっぱり様式美ということか。「鞠子宿 名物茶屋」

ネットには思わぬものがあがっていて楽しめるが、やっぱり映画館で見たい。「神保町シアター」は昔の日本映画ばかりやっていて、いつ行っても年寄りでいっぱい。おどろくほど老人だらけ。プログラムピクチャーというのは、中には傑作もあるし三隅研次監督のような天才もいるけど、まーだいたい退屈なものが多い(しかし昔の映画のセットはすごい。目に焼き付けることができたら挿絵を描くときに大いに役立つのだが…)。快楽亭ブラックさんのように日本のB級映画にメチャくわしい人もいるけど、B級映画を見続けるというのはかなりの偉業だと思う。

(追記)…ガ〜ン!!ブログを見返していたらすでに「東海道五十三次その②」という記事があった!沼津から江尻までは重複してしまった!ボケてる〜。