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伊野孝行のブログ

茂田井武サイコー!

↑「茂田井武の肖像2015」/只今〈えほんやるすばんばんするかいしゃ〉にて展示中

茂田井武は、見るたびに発見があり、自分にもできるんじゃないかとその気にさせてくれるが、結局、ダメだ、描けっこない!と絶望させる最高の画家の一人である。自分にもできるんじゃないかとその気にさせてくれるのがミソである。鑑賞者の立場から創作者の立場へとうながす力はどこにあるのだろう。

茂田井武の自由さったらない。「型」というものは絵の邪魔にしかならないと思えてくる。どの絵にも共通してあるのは、偶然できあがってしまったかのようなみずみずしさ。型にたよって描けば手際がよくなり、成功率は上がるが、自分にはもう絵の未来がわかっている。手際の良さはときに警戒しなくてはいけない。

いざ筆をもって紙に向かえば、頭の中で予想していなかったことが画面の中ではじまる。たいがいはそれを無視するか、はなから想定外のことが起こらないように下書きを作っておくかして、効率をあげる。じつは、案に相違して起こる出来事の中に絵を描く楽しさ(したがって苦しさも)があることは、描く人なら誰でも知っているだろう。〆切りやラフの提出がなかったら、すべての絵はそうして描いた方がスリルがあって楽しい。

「童画」の絵描きとして知られる茂田井武だが、子どもはみんな鑑賞者であり創作者なので、絵にたいして二つの回路をもっている。ぼくは茂田井武の絵をみて絵を描きはじめたわけではないが、茂田井武の絵を見るたびに「おれもやってみたい」という、はじめてつくる側にまわる時のような気持ちになる。きっと茂田井武の絵の中には二つの回路を刺激する何かがあるにちがいない。

↑「茂田井武の肖像2010」/拙著「画家の肖像」に収録

茂田井武を絶賛しながら、自分が描いた「茂田井武の肖像」ばかりアップしてしまったが、興味を持った方は是非、本を買うなり実物を見るなりしてファンになってほしい。

ちょうど今、銀座の〈ノエビア銀座ギャラリー〉で小規模ながらいい展覧会をやっています。前期1月13日〜2月20日後期2月22日〜3月27日。

「茂田井武展 – 記憶の頁 -」はコチラ!

それにあわせて高円寺の〈えほんやるすばんばんするかいしゃ〉では2月13日~ 24日『茂田井武 – トン・パリ祭』を一階ギャラリーで開催中。こちらでは茂田井のグッズやトリビュート作品が展示販売されています。

《 茂田井武トリビュート作品・参加作家(順不同/敬称略) 》
及川賢治/吉田尚令/山福朱実/松成真理子/ささめやゆき/岡田千晶/渡邊智子/渡辺美智雄/高畠純/堀川理万子/伊藤秀男/たんじあきこ/どいかや/杉浦さやか/いぬんこ/伊野孝行/芳野/イナキヨシコ/霜田あゆ美

『茂田井武-トン・パリ祭』at〈えほんやるすばんばんするかいしゃ〉はコチラ!

この二つの展示の企画はもとより、近年刊行された茂田井本などを中心になって作っておられる広松由希子さん(児童書評論家)と五十嵐千恵子さん(児童書編集者)のトークショーが2月21日〈日本出版クラブ会館〉であります。

トークイベント『童画家 茂田井武について』@レラドビブリオテックはコチラ!

というわけでみなさま、2月は茂田井武月間でございます。

茂田井武を紹介するページ MUSÉE MOTAI