伊野孝行のブログ

片桐且元/幽霊画

竹書房文庫より発売中の鈴木輝一郎さん「対決!!片桐且元 家康」のカバーを担当しました。
髷ものの絵ばかり描いていると、さぞかし歴史に詳しいのだろうと思われるかもしれないが、ぜんぜん詳しくない。とくにみんなに人気の戦国時代はほんとにくわしくない。小学生のときは大河ドラマが大好きで「獅子の時代」「おんな太閤記」「峠の群像」などを夢中で見ていたが、内容はまったく覚えていない。「おんな太閤記」では西田敏行が秀吉を演じていて、それでかどうかわからないが秀吉のファンになった。小学校の図書館から「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」の伝記を借りてきて熱心に読んだが、やっぱり秀吉が一番おもしろかった。なので当時は歴史にくわしいガキだったのだが、残念なことにそこから知識はふえてない。この本の主人公、片桐且元という人も知らなかった。ただ方広寺の鐘銘の中の「国家安康」「君臣豊楽」という文字に家康がイチャモンをつけてきた事件は知っている。あぁ!あの鐘をつくった当事者が片桐且元だったのね。読み方は「かたぎりかつもと」と読む。槍の名人であった。家康が鐘で片桐且元をとらえようとしている図にした。カバーデザインは日下潤一さん+赤波江春菜さん。日下さんとは10年以上のつきあいだが、去年はじめて単行本のカバーの仕事をした。そして文庫本のカバーはこれがはじめて。世の中のというのは意外にそういうものなんだなぁ。

さて、「江戸アートナビ」が更新されている。
美少女幽霊からたどる日本の幽霊画表現
上記リンクをクリックして、ぜひお読みください。日本の幽霊はなぜ足がないのかご存知ですかな?
今年の夏は「小説現代」の表紙やねんど細工や、幽霊を描く機会が多かったが、たぶんこれで描き納めかな?