伊野孝行のブログ

立身かなって最終回

小説現代で連載していた梶よう子さんの「立身いたしたく候」はめでたく最終回をむかえた。幕末動乱の時代のちょい手前、花のお江戸で太平楽に暮らす武士、しかし武家の若者の悩みは就職活動。なんといっても昔は自由競争社会でもありませんし、役職も世襲することが多かったわけですからね。そういえば小説とは関係ないですが、勝海舟がアメリカに視察に行ったとき、「ワシントンの子孫は何をやっているのかね?」と米国人に聞いたところ誰も知らなかった、という事実に驚きもし、感銘もうけたらしい。「殿様の息子は殿様」の日本人にとってはそりゃそうだ。でも江戸時代はがっちり身分が固定されていたわけではなく勝海舟のひいじいさんは貧農の盲人であったが、それこそ立身出世して按摩の最高位「検校」になり息子に御家人の株を買い与えた。孫の勝小吉は不良旗本でその痛快で八方破れの行状は自伝「夢酔独言」に記されていて、この本はものすごーくオモシロイ。で、小吉でひと休みしたものの勝家はひ孫の勝海舟でまたまた立身出世した。

…という話は小説には関係ないが、我が主人公は商家の五男坊に産まれて貧乏御家人の養子になった。しかも無役の小普請組。なんとか就職しなければ食ってもいけない、家族も養えない…のであった。最終回の絵とその前の会の絵を載せます。TISのサイトに第1回から最終回までまとめて掲載しました。よかったらこちらも見てください!click!