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伊野孝行のブログ

一休寺アルバム

お江戸の人形町で開催中の「風刺画なんて」展と、京都の一休寺で開催中の「祖師と肖像」展の準備をしているうちに慌ただしくなって先週はブログを休んでしまいました。今週も休みたいんだけど、毎週更新することだけが取り柄なので、2週連続休むわけにはいきません。仕方なく更新しましょう。一休寺の宝物殿でやっている「祖師と肖像」展。軸装された絵をはじめて見ました。八木米寿堂さんのプロの仕事に感服しました。絵巻物「一休十態」の解説文は芳澤勝弘先生が書いてくださってます。さすが簡潔でお見事!宝物殿の入り口。宝物殿の中。私のニセ頂相の正面にはホンモノの頂相が飾られています。訪れた11月25日は日曜日とあって観光客もピーク。25日は5000人とか!年末の新宿伊勢丹の地下のように混んでました。完全に真っ赤になるのはあと4、5日かかるようですが、緑が残っているのも色数が多くてきれい。昼間は東京と変わらないくらいの気温でしたが朝晩の冷え込みはやはり京都。息が白かったです。開門前の誰もいない時にパチリ。25日の夜はJR東海の会員限定トークショーもありました。芳澤先生は別冊太陽「一休」の監修もしておられます。この写真は別冊太陽のツイッターより無断拝借してきました。この場でご報告申し上げます。私と一緒に写っているのはトークショーにも登壇された人形作家の北野深雪(moga)さん。右はかわいい一休さんですが、左のオヤジたちは誰あろう、禅のスーパー高僧、大燈国師と虚堂智愚和尚です。一つ一つが手作りで手描きです。特に大燈国師と虚堂智愚和尚の表情がバツグンです。私の描いた肖像画よりはるかにいいです。禅を好きな人、特に臨済宗大徳寺派なら持ってなきゃダメっすよ。

トークショーでは芳澤先生に過分なお言葉をいただきました。それは先生がトークの進行もされてて、私の絵を褒めて一休さんと一休寺と禅を盛り上げようという立場だったのでね(笑)。で先生が褒めてくれた内容ですが、一緒にトークに登壇した副住職田邊宗弘さんの解説によると、こんな内容でした(忘れたわけではないが私はスラスラ禅の事が話せないので)。

「これはいわゆる乞食大燈とよばれるものです。禅宗では聖胎長養や悟後の修行といって悟った後の修行が重要とされます。
大燈国師は大応国師より法を授けられた後、20年は世に出るなときつく言われたようです。五条大橋のふもとで乞食の恰好をし生活をしておりました。大燈国師の書物をまとめられた時もこのことは書かれなかったようです。大本山の威厳に関わるからでしょうかこのことに憤慨した一休禅師はこのように詩をのこしています。
風飡水宿 人の記するなし

江戸時代の白隠禅師はこの乞食大燈をよく描かれていますがこのように大燈国師を評価したのは一休禅師と白隠禅師しかいませんでした。その流れでいうとこの伊野さんの乞食大燈の頂相は歴史的にもものすごい快挙なのではないでしょうか。

大燈国師を乞食大燈として評価したのは一休禅師と白隠禅師と伊野孝行 この3人だけです。」

ま、私は芳澤先生に教えを乞うて描いただけなんですけどね(笑)。

北野深雪(moga)さんの人形をポケットに入れるお茶目ダンディな芳澤先生。今度一休の入門書を書かれるとのこと。一休寺限定勧進色紙(売り上げの3割はお寺の改修費用などに回されます)の販売会もやってきました。21枚持って行って25日26日で17枚売れました。あと4枚残っています。さあ皆さん慈善事業だと思って買いましょう。そして買ってくださったみなさま、誠にありがとうございます!

1日に何千人来ても、みんなお寺と紅葉を楽しみに来てるんで、ほとんどの人は僕の絵なんて興味ないんですよ。

当たり前のことだと思いますけどね。僕はわざと部屋の外で待ってました。みんな一応見に来るじゃないですか、何が置いてあるんだろうと思って。そこに作者本人がいると思わないから、みんな思い思いのことつぶやいたり。そんで後ろから「これ僕が描いてるんですよ」って声かけて驚かせたり。ギャラリーでやるのとは全然違いますね。「オトナの一休さん」を偶然見たことあるって人は結構いました。さすがNHK。あと大徳寺の襖絵も見て来たよっていう人もいらしゃった。さすが京都。

一休寺で落語会などもやっておられる歴史落語家の笑福亭笑利さんにも買っていただきました。この写真は笑福亭笑利さんのツイッターより無断拝借してきました。お許しください。

「雀はかわいいなー」

「迷妄」

「一休と地獄太夫〜正月は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし〜」

「一休独唱」

「何似生!(どんなもんじゃ)」

「ダンス ウィズ ガイコツ」

「昨日は俗人今日は僧 いい加減に生きてきた」

「天地逆転大喝!」

「新右衛門どのと一献」

「ワシによく似た虎」

「一休と森女」

「五条大橋の下で」

「喝!」

「一休と踊ろう!」

「一休み、一休み」

「一休と骸骨」

「クソとお経〜オトナの一休さん第1則より〜」

「破れ寺で修行」

「ちょいとそこ行くお姉さん」

「そうだ京都、行こう。」

「風狂の狂客 狂風を起こす」

以上が一休寺限定勧進色紙です。ナンバープレート「193」の一台限定私の名前入りタクシー。

帰りに駐車場に行ったらたまたま止まってたので、思わず記念写真。もちろんこれに乗って新田辺駅に行き、思い残すことなく東京に帰ってきました。一休寺のみなさま、色紙お買い求めのみなさま、奈良から来てくれた「オトナの一休さん」初代プロデューサーの角野さん、神戸から来てくれた同業者の竹内みかちゃん、JR東海のみなさま、そのほかの皆々様ありがとうございました!

さて、人形町では「風刺画なんて」まさに開催中です。

人形町は江戸の中心部、美味しい老舗がいっぱいあります。表参道界隈のギャラリー巡りとは一味違った鑑賞体験になることは請け合います。レッツゴー!

「風刺画なんて」はここでやっている!

 

「祖師と肖像」スタート!

ただいま京都、京田辺市の酬恩庵・一休寺では「祖師と肖像」展が開催中(〜12月2日)!左から「一休宗純の肖像」「五条大橋の大燈国師」「散髪する虚堂智愚和尚」「一休十態」

これらの掛け軸、巻物は京都の老舗表具屋さん「八木米寿堂」で仕上げられています。掛け軸にするには厚みのない薄い和紙がいいと聞いたので、今回はじめて薄い和紙に挑戦してみました。水を含むと当然ブヨブヨになるので、パリッと水張りしてから描こうと思ったんだけど、薄いからちょっとしたことで破けちゃって、結局断念しました。二つの頂相を色鉛筆で描いたのですが、水を使わないのでブヨブヨにならないから描きやすい、そういう理由もあります。

表具屋さんの紙の扱いはさすがですよね。詳しいレポートはJR東海の「そうだ京都、行こう。」のブログに掲載されています。

「そうだ京都、行こう。」のスタッフブログ↓
ま、私が宣伝しなくても、キャンペーンスポットになれば、観光客の皆さんはたくさんいらっしゃると思います。観光客=参拝者というわけではないので、禅の世界や祖師たちに興味を持っている人がどれくらいるかわかんないですけど、とっかかりとして、展示を見て興味を持ってもらえればいいっすかね。大徳寺系の祖師たちの解説パネル用に描いた似顔絵。
ここで一休寺のおもしろ写真をどうぞ。
一休寺の駐車場の看板。注意散漫に喝!
駅と一休寺を往復するタクシー。ナンバーは「193」。タクシーの車体に名前が刷られる日がくるとは思わなかった。
私は11月25日と26日は一休寺に滞在しております。
ちょうどそのころは紅葉が一番きれいだろうなあ。
ただ行くだけもあれなので、一休寺限定色紙をせっせと描いております。
売り上げの一部はお寺の開山堂の修復事業などに使われます。なにとぞよろしくお願いします。

10年も経っただなんて

今週は特別な週です。ブログを始めてちょうど10年。2008年11月8日に始めました。今、開始当初の記事をさかのぼろうとしたら、左側のタイトルになぜか最初の8回分が表示されません。不具合ですね。このブログは自前なので(友達に作ってもらった)、広告が出ない代わりに、10年も経つと色々不具合が出てきてます。来年にはホームページもブログもリニューアルしたいです。作ったときは最新だったのに、もうかなりガタピシいって懐かしい感じが漂っています。
10周年と言っても特別なことは何もなく、いつも通りの内容です。
今週は11月21日から始まる「風刺画なんて」のお知らせです。
みなさん「風刺画」はお好きですか? ぼくははっきり言ってキライです。だって面白くないし、たいてい絵がつまんないし。きっと風刺画というジャンル自体が日本では終わってるんだと思います。いや、終わったと思われているから、つまらないんでしょう。ちょうど1年前にイラストレーターの仲間と「風刺画ってなに?」という展覧会を開きました。風刺画の概念を疑う展覧会のつもりでした。「こんなの風刺画じゃない」という感想もありました。うれしいです。だっていわゆる「風刺画」なんてぼくはキライだから。でも、毒のある絵は好きですよ、人をおちょくった絵も好きですよ、笑いのある絵が好きなんです。それらの要素がないイラストレーションにはぼくはあまり興味がないかもしれません。我々の仕事の出自を尋ねれば、昔から風刺精神は欠くべからざる魂でした。果たして最近のイラストレーションにそのスピリッツは横溢しているでしょうか。「風刺画なんて……」と言いながらも今年も描いてみます。ホコリ臭くて見向きされないジャンルだからこそ、やってみる意味もあると思うのです。
minami shinbo
ご存知「本人術」シリーズ。このダライ・ラマは使い回しですが、展覧会には新作発表とのこと。お楽しみに!
yoshioka rina
今回のニューカマー。昭和エロ以外でも面白いです。
inunco いぬんこ画伯も今回初参戦。憧れの絵描きが「滑稽新聞」の墨池亭黒坊ってんだから期待は大。

takeuchi mika

竹内さんも初参加。簡単な絵から描き込んだ写実的な絵まで、表現方法を問わないこの展覧会にふさわしい。otaka ikuko

前回は全てフェルメールのモジリでしたが、今回はまた違う趣向も用意されているとか。

shimoda ayumi

あ、はい誰かわかります。大坂なおみですね。

tange kyoko

「とりあえずDM用に描いたけど展覧会には出さないかも」と言ってました。

nakamura takashi

中村さんは悪意のない穏やかな性格ですが、そんな中村さんにしか描けない風刺画だってある。

ninomiya yukiko

昨年は展示に一工夫して楽しませてくれた二宮さん、今年はどんな仕掛けがあるでしょうか。

ino takayuki

この展覧会、なんか僕が仕切ってるように思われるかもしれませんが、仕切りは昨年に続いてデザイン界のJKこと日下潤一さんです。もちろん日下さんも作品を出します。なのに、DMのどこを見ても日下さんの作品がありません。いつもはデザインが出来上がるとみんなに確認のPDFを回してくれるのですが、後ろめたい気持ちがあるからでしょう、今年はこっそり入稿したようです。

※えっと、注意していただきたいのはオープニングパーティーが初日(21日)ではなくて、23日の17時からです。で、23日は15時からトークショーがあります。なんと今回は入場無料(いつもは2000円もとっていた)です!お早めにお申し込みを!

「風刺画なんて」トークショー申し込みはこちらから!

はい、てなわけで見に来てね。

10年前、いやもう少し前だったかもしれませんが、売り込みに行っても全然イラストの仕事がなくて(年に2件ほどしか依頼がなかった)、そのことを誰かの個展のオープニングで、下谷二助さんにボヤいたんです。そしたら下谷さんに「100人イラストレーターがいれば、100通りのイラストレーターのなり方があるからねぇ」と言われたことを覚えています。その時は慰められた気がしてたんですが、今思えばなんと深い言葉でしょうか。プロはプロになる前からプロでなくてはならない。いや、言い方がややこしいけど、プロになる、そのなり方にオリジナルがなければいけない。そいう意味に解釈しています。

僕は11年前にホームページを作り、10年前にブログを毎週火曜に更新することにしました。ブログをはじめて4年目くらいで運良くイラストレーターになれた(バイト辞められた)のですが、ブログを通して自分なりのイラストレーターのかたちを形成、宣伝できたのではないかと思います(自惚れ)。
「自分はこうしてプロになった」という自慢話、いやアドバイス、いやおせっかいは、人の気をそそります。人がそれでうまくいったからといって、自分がそのやり方でうまくいくとは限らない。たぶんうまくいかないでしょう。はははは。

ILLUSTRATION WAVE

今週の土曜日10月27日から始まる「ILLUSTRATION WAVE展VOL.1」に参加します。
この展覧会の面白そうなところは作品のサイズが自由ということです。同列に並べると、小さい秀作より馬鹿デカい凡作のほうが存在感があります。ということはデカいほうが勝つ。いや、別に勝ち負けを競っているわけではないし、勝ち負けなんて簡単に決められるわけじゃないのですが、絵の内容が同じくらいのレベルならデカいほうが勝つ。そういうことになりましょう。
グループ展で自分の作品が他人より見劣りする時は、当然のことながら、あまり心が晴々しませんね。
しかし、自分が納得していれば、他人と比較して悩むこともないのです。勝ち負け勝ち負け言ってますが、他人との勝負というより自分との勝負に勝つ。そういう心持ちでいたいものです。
ただ、さっきも言ったように、デカいというのはそれだけで加算点がある。参加する222人はいったいどんなサイズで描いてくるのでしょう。SNSを覗くと「10メートルのものを出す」「2メートルのものを出す」「B全パネル6枚つなげて出す」「50号サイズを出す」という書き込みがあり、すでに帝国主義覇権争いの様相を呈しています。
こうなってくると、小さな傑作に目が行くかもしれません。デカけりゃいいってもんじゃないんですから。人間でも最後に信頼されるのは、普段は目立たないが底光りのする人格の持ち主なのです。
で、私ですが、なんだか中途半端な大きさにしてしまいました。ていうか、デカいの描いたら搬入が大変じゃん。そうそう売れないじゃん。家に戻ってきても困るじゃん。ある程度の大きさがあって、搬入が楽、しかも収納がコンパクト……と考えて掛軸タイプの絵にすることにしました。たぶんタペストリータイプとか、折りたたみ展開式のものとか、同じように考えている人はかなりいるのではないかと思います。
掛軸、屏風、巻物という日本美術の形式は収納がコンパクトにできて便利です。元は中国からきているのでしょうが、でもその中で襖絵というのは日本のオリジナルではないでしょうか。壁画が取り外しと付け替えができ、開け閉め自由だなんて、ナイスすぎるアイデアです。……いや、例の大徳寺・真珠庵の襖絵に話を繋げようとしているのではないですよ。ま、一応、公開中ですけどね。
さて、真っ白い紙を目の前にして、絵描きは何を考えていると思いますか?
ほとんどの人は失敗するんじゃないかという不安にかられているのではないでしょうか。真っ白な紙の中には予測不能の事態が満ちみちています。描き出すと同時に成功と失敗の間を針がゆらゆら揺れ出します。下書きがあっても、トラブルは必ず起こるのものです。
手描きで、しかも後戻りできない描き方が私は一番好きです。失敗でも成功でも、このライブ感がたまらない。描いているときに自然に体が熱くなって来て一枚脱ぐのが常です。
……と長々能書きをたれているのはなぜかというと、今回の絵はまぁまぁうまく行ったような気がするからです。そういうときはブログもベシャリがち。でも、ほかの人の作品と並ぶとまた印象も変わるというか「あ、負けてる……」と思うかもしれない。いったいみんなどんな作品を持ってくるんでしょう。よかったら見に来てください。入場料がかかりますが。そして入場料を払ったのだから、つまらなかったらつまらないと言う権利はあなたにあります。
さて、大徳寺・真珠庵の襖絵なんですが(え、やっぱりまたこの話ね)、今月の月刊「ひととき」(新幹線のグリーン車に置いてある雑誌、モチロン全国の書店でも買えます)にて、「オトナの一休さん」の脚本家ふじきみつ彦さんと、関西学院大学の西山克先生と寝転びながら鼎談しております。鼎談の最後で西山先生が私とふじきさんにこう語りかけます。
「一休さんのことをこんなに理解されたんだから、お二人には敵を作ってでも頑張って生きて行って欲しいな。」
生きるとはなんでしょう。一休さんが問いかけて来ます。敵はあまり作りたくないですが。
特集では長塚京三さんが京都の一休さんゆかりのお寺を回られております。今年のJR東海の「そうだ京都、行こう。」のメインスポットが一休寺なもので、一休推しです。そして長塚京三さんは長年つとめた「そうだ京都、行こう。」のCMナレーションを今年を最後に卒業されるのです。
大徳寺・真珠庵の襖絵修復&新調プロジェクト開催中!
酬恩庵・一休寺では11月10日より「祖師と肖像」展開催!

襖絵トークショー!

11月4日に、京都国際マンガミュージアムにて「真珠庵 襖絵修復プロジェクト 作家トークショー」が開催されます!

 

参加作家、写真左から
伊野孝行(イラストレータ―……僕です)上国料勇(アートディレクター・イラストレータ―)山田宗正(大徳寺・真珠庵第27代目住職)山賀博之(アニメ監督・ガイナックス社長)濱地創宗(日本画家・僧侶)山口和也(美術家)
参加作家の中に山田宗正和尚もいらっしゃるのがいいですね。和尚さまは禅問答で鍛えられたからか(?)、いつも会話でアドリブが効いてるんですよ。
4月に放送されたNHKBSプレミアム「傑作か、それとも…京都 大徳寺・真珠庵での格闘」という番組では聞くことのできなかった濱地創宗さん、山口和也さんのお話もたっぷり聞けることでしょう。
当事者が語ることが必ずしも真実とは限らないし、むしろ嘘をつく場合も多いですが、番組とはまた違った内容が見えてくるように思います。
※ネットにあるものはみんなのもの、ということでネットで漁ってきた写真を勝手に使ってます。一休さんならきっとオッケーと言うでしょう。
上国料さんはもともと東京に住んでいましたが、このプロジェクトをきっかけに京都に移住しました。そして、今も襖絵に手を入れ続けています。厳密にいうと今は公開中なので、描いてませんが。2泊3日で描き終えたヤツとは真逆の制作態度。私と上国料さんは襖絵もウラオモテです。
もっとも禅問答な感じの襖絵をお描きになった山賀さん。「アオイホノオ」でムロツヨシが演じていたキャラとは少し違います。だいぶ違うかな。でもドラマの中の発言はだいたい合ってるようですが。ちゃんと絵を描いたことがない山賀さんがいきなり大作に挑戦!メンバーの中でもっとも冒険度が高かったもしれません。
濱地創宗さんの「寒山拾得」。近寄ってみるととても繊細な絵です。実際真珠庵で修行をされていた方なので、ちょろっと来て、さっと帰ったヤツとは向き合いかたが違いますね。濱地さんとはまだあまり喋ったことがないし、襖絵のことについても伺ってないので、トークショーが楽しみです。
山口和也さんの作品「空花」。え、どこにあるかって?左右の引き戸の星のような絵がそれです。お寺が建てられた時からすでにハマってそうな佇まい。画面中心の奥に一休さんの木像頂相があるので、ここが一番聖域に近いですね。
無数の人物を一人一人気持ちを込めて描いた北見先生の襖絵。見ていると自然と宗教的な気持ちになります。
※北見けんいち先生は今回は出演されません。実は襖絵メンバー全員が揃ったことは未だにないのです……。
てな訳で、よかったら聞きに来てくださいよ。
入場料は1500円(ミュージアム入場料を含みます)。定員は180名。申し込み締め切りは10月20日。お問い合わせは下記のリンク先、ガイナックス京都まで!

「祖師と肖像」展開催!

何があっても更新することだけが取り柄の当ブログなのに、先週またサボってしまった。ちょっと仕事でテンパっちゃって……。

さてさて、今週は私の大好きな「宣伝」です。山紫水明の古都、京都はこれから秋まっ盛り!ただいま大徳寺・真珠庵では400年ぶりの襖絵新調プロジェクトが公開中。さらに、なんと、11月10日からは酬恩庵・一休寺でも私の新作が発表されます。題して「祖師と肖像」展。

これは京都駅のデジタルサイネージ(電子ポスター)用の画像です。普通のチラシやポスターの比率(A4とかB1とかの規格)と違って、縦に長いんだけど、これってスマホの画面の比率と一緒なんですね。世の中知らない間にすべてスマホあわせ。そういうことになってんだ。
ポスターには自分の顔写真がハメてありますが、「誰もお前の顔なんて知らねーよ」という皆様の心の声が、すでに私には聞こえています。いやいや、ごもっとも。実はポスターを作っている時には作品がまだ出来てなかったんで(ちりばめてある一休さんの絵も単なる宣伝用の絵です。これが展示作品ではありません)その代わりに入れたのです。デザインは仁木順平(本名、二宮大輔)さんです。(この絵は展示物にあらず。宣伝画像なり)
「祖師と肖像」展について、説明をば少し。
虚堂智愚から一休宗純、そして一休の弟子墨斎までの、大徳寺の法系の頂相を展示します。あわせてEテレのアニメ『オトナの一休さん』の作画担当イラストレーター、伊野孝行氏によるNEO頂相(?)も発表!他に一休宗純の漢詩集『狂雲集』、一休宗純所用の五条袈裟なども展示
とチラシやポスターにも書いてある通りの内容なのですが、みなさまには「頂相」というのが耳慣れない言葉でしょうか。頂相(ちんそう、ちんぞうとも読む)は簡単に言えば、禅の高僧の肖像画のことです。また頂相は禅僧にとっては信仰の対象でもあります。真珠庵でも、酬恩庵でも、方丈の本堂には仏像のかわりに一休さんの木彫が置かれています。頂相の立体版、頂相彫刻と言ってもいいでしょう。(酬恩庵・一休寺にある一休宗純の頂相彫刻。晩年の一休さんを生き写しに作られた。当初、像には一休さんの髪の毛と髭が植えられていたという)
このように、頂相とはたいへんに尊いものなのですが、そ、そ、それを禅の修行僧でもない門外漢の私が新しく描くってんだから……オラどうなっても知らねー!ですよ。
さすが一休さんゆかりのお寺はアグレッシブ。さて、どうなるんでしょう。
と言いましても、実はすでに描き終わっておりまして、ただいま京都の老舗の表具屋、八木米寿堂さんで表装してもらっているところです。(八木米寿堂さんは下京区東前町にある伝統家屋「町屋」だった)(一休宗純NEO頂相の部分)
私の作品は、虚堂智愚(きどうちぐ)和尚、大燈国師(だいとうこくし)、一休宗純のそれぞれの頂相、合わせて掛け軸3幅、そして「一休十態」と題した一休さんの巻物一巻、合計4作品です。エセ頂相です。大丈夫、一休寺所蔵のモノホンの頂相もちゃんとありますから。
「頂相は尊いものなり」と言いましても我々にとって敷居が高いのも確か。だいたい虚堂智愚、大燈国師と言ったって一般の人にとってはZENZEN馴染みがないでしょう。お二方とも一休さんがリスペクトしてやまない禅僧なのですが、私もはっきり言って詳しく存じ上げておりません(笑)。だってとっても文献が難しいんだもの。それじゃ肖像画が描けないよ。
でも心配ご無用。「オトナの一休さん」の監修者でもある芳澤勝弘先生が、今回も協力してくださいました。芳澤先生は白隠研究の大家でもあリます。
白隠さんが描いた数々のユニークな禅画も、それまで貴族的であった禅を、大衆に広めるために描かれたもの。いわば白隠の禅画はイラストレーションだと言いきっても差し支えないでしょう。
(芳澤先生は新潮社とんぼの本「禅のこころを描く 白隠」で漫画にも描かせてもらいました。この似顔絵は自慢じゃないが超似てます)
大燈国師は1315年(?)に洛北紫野の地に小堂を建立した。これが今の大徳寺の起源とされます。大徳寺派にとってめちゃ大切な方であります。
で、大燈国師の頂相(上)を白隠禅師が描くとこうなる(下)。大燈国師は五条大橋の下で乞食たちと暮らしていたというエピソードに基づいています。すごい迫力。素人絵の強さ。
 そうだ、言い忘れましたが、今年のJR 東海の「そうだ京都、行こう。」のメインスポットが一休寺なのです。
美しい一休寺の紅葉をCMでどうぞ!

私の「なんちゃって頂相」は、一休寺を訪れる観光客の方の手を引っ張って、禅の世界を紹介する役目?いや、私自身ZENの何たるかもわかってないのにねぇ。いや、ここ2、3年でなんとなく禅の入り口には立っているような気はいたします。
関連イベントのお知らせです。
(※ 会員限定イベントです)
出演者:禅宗史研究家 芳澤 勝弘/イラストレーター 伊野 孝行/人形作家 北野 深雪/酬恩庵 一休寺 副住職 田邊 宗弘
京都のお寺で同時に2ヶ所も絵が発表されるなんて、たぶん最初で最後でしょう。一休和尚、ありがとう!

ひたすら御朱印帳

土日月とまた京都へ行ってきました。まず第1の用事は、老舗の表具屋、八木米寿堂さんへ絵を届けに行くこと。掛け軸3本と絵巻物1巻にしてもらいます。この絵は11月に酬恩庵・一休寺で「祖師と肖像」と題した展示で飾られます。JR東海の方も取材に来られ、いずれ「そうだ京都、行こう。」の記事として発表されるとのこと。

つまりこの秋は、大徳寺・真珠庵と、酬恩庵・一休寺の二箇所で展示があるということです。こんなことは私の人生の中で最初にして最後のことでしょう。
第2の用事は公開中の大徳寺・真珠庵に行って、御朱印帳にサインと絵を入れること。用事が終われば、あとは楽しい宴会…ということで今回も色々お世話になりました。
襖絵を描いてる時は何も考えていなかったのですが、歴史ある京都のお寺に絵を描くということの意味を、描き終わってからしみじみ味わっているところでございます。
意味とは何を意味するのでしょう?(真珠庵のお庭)
真珠庵は土日になると1日500人くらい拝観のお客様がいらっしゃるようで、東京で個展をやってもそんなたくさんのお客さんに見てもらえません。他の襖絵絵師の方々のおかげ、そして建物自体が重要文化財の大徳寺・真珠庵のおかげ、物販制作会社、広報担当会社のおかげ、特別公開限定スタッフのおばさまたちのおかげ、そしてご住職ならびに心意気お手伝いの皆さまのおかげ……ざっとあげてもこれだけの「おかげ」があります。
普段の個展では、そういったことはほとんど自分でやらなくてはならず、しかもヒジョーに微力です。だから余計に骨身に沁みます。
(ひたすら御朱印を書く和尚さま)
(手に資料を持っているのは襖絵を解説してくれてるスタッフの方)
それと、京都の地元の人たちの間にスルッと入れるラッキーさ。特別公開中の真珠庵には和尚さまを慕って集まる人も大勢いらっしゃいます。今日はあの人、明日はこの人。もともとお寺の醍醐味とはそういうところなのかもしれません。集まる人の職業も本当にいろいろで面白い。そんな時に、自分のことを一から説明しなくてもいいじゃないですか。「襖絵を描かせてもらってる伊野と申します」と言えば通じるんだから。
せっかく泊まらせてもらったのに、早起きできなくて、お庭掃除が手伝えなかったりで、一宿三飯お酒つきの恩返しもなかなかできず、ヤバいなーと焦りました。ですから、ひたすら御朱印帳にサインと絵を入れて来ました。50冊くらいは描けたかな?
京都のお寺に絵を描く意味の、意味が何を意味するかは、きっと自分次第でありますね。
(下書きなしで描かなくてはいけない…筆と消しゴム判子は持参です)
(サインの横の絵は5種類くらいあります)
(お邪魔した時はちょうど和尚さまのお誕生日でしたので、二つ折り色紙に絵を描いてプレゼントしました)

朝のジョギング

今年の2月から、近所で喫茶店をやっているおじさんと、週に2回火曜と金曜の朝にジョギングをしている。駅一つ分を往復するくらいの距離で、しかもその駅というのが世田谷線だから走行距離はしれている。7時半に公園に集合することになっているが、大抵どちらかが先に着いている……って、そりゃそうだよな。
おじさんはいつもニット帽のようなものをかぶっている。これはしっかり汗をかくためなのだそうだ。おじさんはちょっとガクガクするからと言って、左の膝にサポーターのようなものを巻いている。それは奥さんからの借り物のサポーターで、女性用だからか地肌が透けている。
おじさんと走るのはお喋りができるくらいのスローなペースだ。そもそもジョギングをはじめる前は週に2回くらいのペースでおじさんの店に行って無駄話をしていたのだが、今はジョギングでそれが済んでしまい、お店に行く回数がガクンと減ってしまった。
カラスがゴミ袋を荒らす時間帯は、季節とともに変わって行く。
春先は8時より前に出したゴミはかなりの確率で荒らされていた。ゴール地点にしている場所が、ちょうど集積場で、特にヒドイ。ちなみに火曜と金曜というのはこの辺りの「燃えるゴミの日」なのだ。
昼間通ってもどこの道にもゴミはひとつ落ちていない。それは掃除をしているおばあさんたちがいるからだ。おばあさんたちは自分の家の前と、向こう三軒分くらいを掃除している。そういうおばあさんたちがゴミ集積所の周りには必ずいる。そんなこと知らなかった。おばあさんたちがいる限り東京の街はスラム化しない。お年寄りは大切にしよう。
先々週から日本の酷暑の概念が更新されている。7時半の時点ですでに30度超え。気温ほど生き物を左右するものはない。夏になるとカラスの朝食タイムはゴミ出しのずいぶん前にずれるのか、荒らされている形跡がほとんどない。おじさんも私も走りながら会話をする余裕は全くない。このままでは走っているうちに倒れるのではないかと思い、この前の金曜から、ジョギングの集合時間を1時間早めて6時半にした。
今日もおじさんと走ってきた。
こう暑くっちゃ散歩ですら命取りである。特に中高年は気をつけよう。
しかし最近した仕事は、こんな中高年向けの散歩ガイドブックだった。
デザインは三浦逸平さん。お元気ですか?
夏バテ気味なので、ブログもあっさりと、お知らせを二つして終わりにしよう。
まず一つめは、今日から外苑前のギャラリーでグループ展があります。暑いので出かけて熱中症にでもなったら申し訳ないので、是非にとは言いません。なにせ3時間外に出かけたら、回復するのに5時間はかかる。高い気温は毒だ。毒の中に出かけるのは、そりゃやめた方がいいでっせ。
■FABER-CASTELL×gallery DAZZLE×TIS「水と色鉛筆」展
ファーバー・カステル社と東京イラストレーターズ・ソサエティのコラボ展。
支給された高級水彩色鉛筆を使っております。
会期:2018年7月24日(火)~29日(日)12:00~19:00(最終日17:00まで)
入場無料 会期中無休
会場:gallery DAZZLE 東京都港区北青山2-12-20 #101【開催イベント】
7月28日(土)12:00~19:00 作家Day
7月28日(土)14:00~ 佐々木悟郎氏による水彩色鉛筆デモンストレーション
もう一つは襖絵を描かせてもらった大徳寺・真珠庵がクラウドファンディングに挑戦?のお知らせ。
真珠庵は曽我蛇足や長谷川等伯の古い襖絵があるお寺です。
〈重要文化財の襖絵24枚を修復するためには約8000万円必要で、そのうち約2800万円をお寺で賄わなくてはなりません〉
やっ、タイヘンだっ!結構お金かかるんですね〜。
一休さんが応仁の乱で荒廃した大徳寺を再建した時にも、堺の商人たちの援助を受けたとか。

今週はおやすみ

今週はボランティア活動に忙しく、更新は一回休み……という風に更新してしまっていますが、内容はナシということで。

あ、そうそう、WEB対談「イラストレーションについて話そう」が更新されております。

今しばらくのお付き合い何卒よろしくお願い申し上げます。

第13回前編 シュールな絵は好きですか? シュルレアリスム①

第13回後編 不思議な絵はどうやって生まれるのか シュルレアリスム②

平成の相撲絵師たち展

昭和最後の年に、いや正確には昭和64年は1月7日までしかなかったので、実質最後の昭和63年(1988年)の12月、元横綱の輪島がプロレスラーを引退した……そんなこと誰も覚えていないでしょうけど、今年は平成最後の年。後年それぞれの胸に「あれは平成最後の年だったんだなぁ」と思い出される出来事もあるはずです。

きっとそんな思い出になるイベントがあさって5月16日から開かれます。

題して「”平成の相撲絵師たち”展」。

この展覧会を主催している音楽&相撲ライターの和田静香さんはこうおっしゃっています。

平成の相撲絵師たち展をやります!と決めたのが1月。大相撲がボコンボコンにやり込められてる時でした。

くそ~~~~、と悔しさにイライラして(あんとき血圧高くなったんだわ、私)

何か反撃したい!と思いながらでも、憎しみに憎しみで返したら、そこには憎しみの連鎖しかない。。。

そうだわ、愛よ、愛! 愛で返せばいいんだわ!

と、にわかに私、マーティン・ルーサー・キングJr.の教えに従い、あなたたちがどんなに大相撲を憎もうと、私たちは大相撲を愛して楽しむのよ!その姿を見なさい!というつもりでやったるで~~~~~~~と

そんな気持ちも込めて開催を決めて。。。。果たして人、集まってくれるのかな?と、思っていたら、じゃんじゃんじゃん。総勢26名、30点以上の作品が集まりました!

みなさん、本当にありがとうございます。どんな会になるやら? 実はまだ分かりません。でも、きっと楽しい会になるはずです。

そう、どんな展覧会になるのか私も予想がつきません。時々イラストレーターのグループ展みたいなのには参加することもあるのですが、それとは趣を異にするでしょう。別にプロとかアマとかそんなの関係なく、ただ相撲が本当に好き!ってことだけで絵を描き、集まり、開かれる展示だからです。

しかし、5年前に私が描いた絵が2種類あるDMのうちの1枚になっているのですが、今見ると妙に意味深な絵になっています。和田さんが〈平成の相撲絵師たち展をやります!と決めたのが1月。大相撲がボコンボコンにやり込められてる時でした。くそ~~~~、と悔しさにイライラして(あんとき血圧高くなったんだわ、私)〉と思ってた時の、心の置き場所がない心象風景を描いた絵のようにも見える。

私は他に蒼国来裁判を傍聴した時の法廷画をファイルにして出します。

ちょっと心配なのは、オレめちゃくちゃ相撲に詳しいわけではないんで、幕下以下の力士の名前とかそんなによく知らないし、オープニングで集まる人の話についていけるかどうか。いや、愛する気持ちがあればそれでいい?相撲ファン「一兵卒」からやりますんでどうぞよろしくお願いいたします。

「平成の相撲絵師たち展」
5月16日(水)~20日(日)
午後13時~19時半
入場無料
両国「緑壱」(ライオン堂さん斜め前あたりに、りそな銀行あり。その並びに建つザ・パークハウス両国を入って5軒目
ベージュ色の一軒家の1階です)16日の18時~19時半に オープニング・パーティー。

両国「緑壱」はこちら

真珠庵での”など”の格闘

今週の土曜日、4月21日夜9時からNHKのBSプレミアムで『傑作か、それとも…京都 大徳寺・真珠庵での格闘』が放送されます。

90分のドキュメンタリー番組で撮影は4Kのカメラを使用。しかもこれは「スーパープレミアム」なのです。スーパープレミアムとは、〈BSプレミアムのフラッグシップとして、大型エンターテインメントや、長期取材に基づくこれまでにないスケールの番組など、多彩な視聴者の関心を呼ぶ番組を土曜夜間に2~4時間編成。NHK BSプレミアムで随時放送している〉ということになっています。

はい、前置きがウザいですが、この番組に私は出ております。

昨日昼間にNHKを見てたらたまたま番宣をやってて、私が一瞬映ったので急いでスマホで撮ったのが、この写真です。この写真は実に貴重なものなのです。なぜなら、悲しいかな番組のホームページには、私は名前も写真も出ていないからです。

今まで散々、親や親戚や友達に「オレ、今度スーパープレミアムに出るんだ」って自慢しといて、さぁ!いよいよだ!って時に、番組ホームページには自分が出てる痕跡がないってさ……ほんとこのブログでもどうやって宣伝しようか頭を抱えてたし、もう宣伝なんかしないやい!と拗ねてたんだけど、昨日偶然スマホで撮れて良かったよ。

(追記、さっき番組ホームページ↓を見たら予告動画が上がっていました。てへへ。)

傑作か、それとも…京都 大徳寺・真珠庵での格闘の予告動画を見よう!

番組紹介ページの5人並んでいる写真の中に私はいません。襖絵に挑戦する私以外の絵師たちと和尚様です(私はこの日どうしてもスケジュールが合わず、京都に行けなかったんでね)。襖絵に挑戦する5人の絵師は〈ゲーム『ファイナルファンタジー』のアートディレクター・上国料勇、アニメ『オネアミスの翼』監督・山賀博之、長寿漫画『釣りバカ日誌』作画・北見けんいちなど。〉です。仕方がないので私が残りの「など」を紹介しましょう。

1人は私、伊野でございます。アニメ『オトナの一休さん』も再放送中ですが、この真珠庵という塔頭は一休さんのために建てられたお寺なのです。また一休さんは大徳寺を再興したお方でもあります。もう1人の「など」は濱地創宗さんという方で、この人は真珠庵で修行をしていた若き画僧であります。画家兼僧侶。男前です。

番組の概要は下記のリンク先↓から知れます。

現代の”絵師”たちはどんな襖絵を描くのか?

私が「など」になった理由は無名だからということ以外にもう一つあるような気がします。

上国料勇さんと山賀博之さんは半年間の長きにわたり真珠庵に住み込んで絵を描かれていたのですが、私は2泊3日で描いて帰ってきてしまったのでした。だって普段のイラスト仕事の締め切りもあるし、それに私の場合、カンタンな絵なので2泊3日あればじゅうぶんだし、あの絵を半年かけて描く方が難しい……。

〔写真:私が担当したのはこの六畳間。襖絵は曾我蛇足(2代目だったかな?)の絵です。ここに寝転んでのほほん気分になれる絵を描こうと思いました。

大徳寺・真珠庵は長谷川等伯の襖絵もあります。等伯は他に、大徳寺・三玄院の襖絵も描いていますが、その襖絵は、三玄院の住職に「絵など必要なし」と断られたものの、諦めきれずに住職の留守中に勝手に上がりこんでバババっと描いてしまったのです。

絵の良し悪しに制作時間は全く関係ないのです。

でも、番組的には大いに関係がありましょう。だって番組のホームページにはこうあります。

〈現代の”絵師”たちは何を思い、どんな襖絵を描くのか?しかし、はじめての挑戦に、絵筆はなかなか進まない…。〉と。

編集された番組は当然私は見ていないのですが、たぶん予想では私は前半に出た後はほとんど出ないような気がします。

これも私の予想ですが、この番組は笑えるヒューマン・ドキュメンタリーという仕上がりになるのではないかと思います。ナレーションは高橋克実さん。

襖絵に挑戦する絵師の一人、山賀博之さんは監督・脚本家でありアニメ制作会社「ガイナックス」の社長さんです。

2014年のドラマ『アオイホノオ』でムロツヨシが演じていた人です。ドラマの中で美大時代の山賀さんの心の声として「俺は絵が描けん!描くつもりも無い!だがアニメ界でひともうけしたいのだ!つまり、人を働かせる!俺のために!くはははは」というようなセリフを庵野秀明さんの後ろで言う場面が出てくるのですが、その山賀さんが絵を描くってんだから、それも長大な襖絵を。

ドキュメンタリー的にはぜったいに美味しいです。

山賀さんて「この霧吹きが使いやすいですよ」って貸してくれたり、暗がりで描いてたら後ろで照明をセッティングしてくれたり、とてもやさしいの。予告動画で私が握っているのは山賀さんの霧吹きです。

〔写真:合宿2日目の昼食の様子。近所の「中華のサカイ本店」より取った出前の冷やし中華を食べる撮影スタッフ。手前は上国料さん。「中華のサカイ本店」は素晴らしい店。是非行ってください〕

座禅と庭掃除込みの合宿は楽しかったですが、何より大きな絵を描けることが気持ちが良かった。大きな絵は全身を使って描くので、軽い筋肉痛になる。こんなに集中できるのかっていうくらい、ものすごく集中できる。描いてる間に何度も「あ、失敗しちゃった」と思う瞬間が訪れる。やり直しはきかない。焦る。そこから何とか立て直していくしかない……短い期間ではあったけど自分としては格闘でした。

もう予告動画に全貌が映っちゃってるけど、私の描いた襖絵は実力以上でも以下でもないってカンジかな。『傑作か、それとも…』というタイトルに照らし合わせれば、後者かも(笑)。

私は他の人たちの絵がその後どうなってるのか知らないんです。すぐ帰ってきちゃったから。でも予告動画でチラッと見る限りめちゃめちゃど迫力ですね。まぁ、私のは六畳間の禅画を目指してますから(言い訳)。

まぁ、襖絵の出来はどうであれ、私の出番の尺はどうあれ、ドキュメンタリー番組として傑作になってくれればそれでいいですわ。番組はディレクターの作品なんだから。

自分の声や動きを映像で見るというのはすごくヘンな気持ちですね。自分は自分の存在に耐えられません。また、やっかいなのはウチはBSが映らないってこと。誰の家で見ようかなと思ってたら、「当日はみんなで真珠庵に集まって酒を飲みながら見るんですが、来ませんか?」と山賀さんからお誘いを受けた。どうやらみんな自分一人じゃ見る気になれないようです。

調子にのって

調子にのって、先週、溜まってた仕事の絵を一気に載せてしまった。そのため、今週特に載せるものがなくなった。というわけでお休みです。

一回休み

風邪ひいちゃって、なかなか治らなくて、ただいま展示期間中につき、ギャラリーに出向いたりしているうちに、いろいろやることも溜まってしまったので、今週のブログは一回休み……という更新をしてしまいました。

風刺画展はじまるよーっ!

11月22日から人形町のビジョンズというギャラリーで『風刺画ってなに?』がはじまるよー!絶対に見に来てね!来なきゃ絶交だぜ!楽しいトークショーもあるよ!

「風刺画ってなに?」詳しい情報はこちらをクリック!

風刺画ってなに?

『風刺画ってなに?』っていう展覧会が来週からはじまりますっ!

イマドキ、風刺画の展覧会なんて誰もやらないでしょ?
いや、なに、ネットにはいっぱい、風刺画というのか、ポンチ絵っていうのか、クソコラっていうのか、上がってるんですけどね。そうやってみんなで息抜きして楽しんでるんです。健康的なことではないですか。
でも、僕は風刺画って、好きじゃないんだよ。風刺画ってだいたいは面白くないんだもん。面白い風刺画は好き。宮武外骨の「滑稽新聞」とか。あ、全然関係ないけど、明治時代に「なまいき新聞」というのもあったみたい。内容は知らないけど、いい名前だ。
明治時代ってさ、言論の自由がそんなにないから、命がけじゃん。今だってそういう国は結構あるだろうけど、そこで風刺画描くのはスリルあるよね。日本で描いたって、なにも起こらないよ。だから面白くないのか。
いや、そういうことじゃないんだよな。なんだろう風刺画=政治風刺漫画だというイメージが僕は嫌いなのかも。基本的に毒のある絵は大好物です。
面白くない風刺画は、善悪二元論みたいになっちゃってるのがつまんない。
たとえば、個人と全体は必ず矛盾するでしょ。
もし無人島から10人が脱出するために、9人乗りの舟しかなかったら、どうするの?誰か一人選んで、みんなのために犠牲になれって言うの?それともみんなで船に乗らずに、無人島で飢えて死ぬの待つの?それとも沈むの覚悟でみんなで漕ぎ出すか…自分は船に乗ってる方か、乗れない一人の方か。基本的にこの構造は変わらないと思うんだけどな、国でも、地球でも。
そういう矛盾に向き合わなきゃいけないリーダーとして、トランプは最悪なやつだ。でも人間ドナルド・トランプを見てると、うっかり「ちょっと面白い……」って思っちゃうじゃん。金正恩とかも、実の兄を殺して、側近のおじさんも粛清して、戦国時代か!?ってやつだけど、本人見てると、うっかり「ちょっと面白い……」って思っちゃうじゃん。あと、北朝鮮の女性アナウンサーのアジテーションのような喋り方ってクセになるなとか。
深沢七郎さんはこう言っている「こっけい以外に人間の美しさはないと思います」。
人間は本質的に何の意味もない存在だけど、政治というのは正反対に意味を植え付けてくる。
僕が描くとしたらこんな風刺画かなぁ〜。
タイトルは「床屋政談」って言うんだけど、どうでしょうか…?
まぁ、ここに書いたのは、僕の意見であって、他のメンバーがどういう考えかは知らない。だから、展覧会のタイトルも『風刺画ってなに?』になってるわけでね。
政治家の絵なんて描くつもりなかったんだけど、DM用に先に一枚描かなくてはいけなくて、妙にサービス精神出して、描いちゃったよ……。
だから他の作品は、こういうのじゃない。風刺画って本当はもっともっと幅広いものなんだし。
26日のトークショーでは、いろんな風刺画的作品をスクリーンに写し出してしゃべる予定です。
というわけで、最近、毎回ブログではよろしく、よろしく、と言ってますが、今回もどうかひとつよろしくお願いいたします。

歴史を学びたい

昔はこれでもいっぱしの歴史通であった。
昔……というのは小学3年生の頃である。他の子ども達が漫画やアニメに夢中になっているのを横目に、学校の図書館で、豊臣秀吉、織田信長、徳川家康の伝記を借りては読んでいたものである。
だが、悲しいことに私の歴史の知識(特に戦国時代)はその頃で止まってる。
小学4年生まではほとんど友達がいなかったので、自分独自の文化圏を作っていたのだが、5年生になって、急に友達ができ、私も他の友達と同様に漫画やアニメに夢中になってしまったからだ。
フツウの小学生になっちゃったわけ。
去年も大河ドラマ『真田丸』を見て、「真田、真田ってよく名前を聞いてたけど、こんな一族だったんだ〜」ってやっと知ったくらいの歴史知らずなのだ。
イラストレーターとして時代物や歴史物の仕事もしているのに、そんなのでいいのだろうか?
そりゃアカン!でしょう。(↑日本史に限らず、今までよくわかってないまま歴史上の人物をたくさん描いてきてしまった。これは秦の始皇帝です)
イラストレーターとしてのデビュー作が童門冬二さんの新聞小説『小説 小栗上野介』の挿絵だったので(当時私は29歳、一回2千円のトホホな画料)、幕末〜明治はそんなに知らなくもないのだが、特に戦国時代以前、日本の中世となるとぜんぜんわかんない。
先日、最終回まで放送し、また同じ時間帯で再放送中の『オトナの一休さん』は室町時代の話である。
ちょうど応仁の乱の回を描いている頃に、呉座 勇一さんの『応仁の乱ー戦国時代を生んだ大乱』 (中公新書)がベストセラーになっていた。応仁の乱というのはなんだかよく分からないままだらだら続いた戦らしい…ということは知ってたので、この本を読めば、面白く理解できるのかも!と飛びついたものの、何度も途中下車したくなり、なんとか最後まで読んだが、歴史が面白い!という気持ちは一向に芽生えてこなかった。
後日、「芸術新潮」の私の担当者(れ)氏が『応仁の乱ー戦国時代を生んだ大乱』 を読みたいというので、差し上げた。
お礼でも言ってくれるかと思ったら、(れ)氏はわざわざツイッターで
〈話題の『応仁の乱』、「ちくちく美術部」を弊誌に連載するいのっち氏からの下げ渡し本にて遅ればせに読了。いのっち氏は、なかなか乱が始まらない、人名多すぎでその個性の書き分けもないとか低評価のアマレビューみたいな文句を言ってましたが、中世史の本ってそういうもんです。ベストセラーというの は本来の読者でない人が買うからベストセラーになるわけで、当然、ミスマッチ多発と推測。数ある中世史本の中では普通に読みやすく、普通に面白いと思います。現代人から見て感情移入できる登場人物がおらず、著者も冷静ですが、畠山義就にだけは微妙な好感を寄せている風なのもいとおかし。(れ)〉
などと書き込んで、私の浅はかさを世間に知らしめてくれた(リツイートされまくっていた)のだが、人から本をもらっておいてなんてことをしてくれるのだ。(↑これは(れ)氏が担当している「ちくちく美術部」。今月は江戸東京博物館の『没後150年坂本龍馬』展を取り上げています)
(れ)氏は美術雑誌の編集者だが歴史博士と言っても良いくらいに詳しい。私が歴史を勉強したがっているのを知りこんなメールをくれた。
〈ここ数年の中公新書では、『贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ』がやはり15世紀日本を扱っていて巻を置く能わざる面白さでした。でもまあこれも、伊野さんが読んで面白いかどうかは……〉
とまたもや、嫌味な一言を添えて、本を紹介してくれた。
実際読んでみると、的が絞ってあるので『応仁の乱』ほどは退屈しなかったが、”巻を置く能わざる”には程遠く、やはり私にとって歴史の壁は高いままなのだった。
そんな私を歴史好きにしてくれる救世主のような本がついに発売された。5月20日のことだった。
本の名は『秘伝・日本史解読術』(新潮新書)。著者は荒山徹さんである。
この本は新潮社のPR誌「波」で『歴史の極意・小説の奥義』というタイトルで連載されていたのをまとめたものなのだが、連載当時から私は「あ、なんか歴史って面白そう……」という気持ちになっていた。その感触が残っていたので、待望していたのである。
あらためて本になったものを読んでみると、これこそまさに”巻を置く能わざる”面白さだった。
ま、私の感想などより、ご本人の紹介文の方が的確だと思うので、ここに貼り付けさせていただきましょう(クリックするとデカくなる)。
〈特筆すべきは、解説をほどこした歴史時代小説の名作を縄文から幕末まで年代順に配置したことで日本史の流れがイッパツで概観できるようになった工夫でしょうか〉
とありますが、小説を読んで興味を持つというのはナイスな入り方ではないですか。考えてみりゃ、いきなり私が歴史学者の先生の論文みたいな新書を読んで面白いと思うのは相当にハードルが高い。
荒山さんがオススメする歴史小説を読んでいくのが、今年の趣味の読書の方針なのです(八木荘司『古代からの伝言』、杉本苑子『檀林皇后私譜 』、永井路子『王朝序曲』、三田誠広『桓武天皇―平安の覇王』、吉川英治『新平家物語』、津本陽『夢のまた夢』……)。
でもせっかくなので、まずは荒山さんご自身の小説を読んでみた。『白村江』(PHP研究所)です。歴史の授業で習ったあの「白村江の戦い」だ。はい、もちろんぜーんぜんよくわかってない。最初から、余豊璋とか金春秋とか聞いたこともない名前の人が出てくる。あ、蘇我入鹿は知っている。けっこう分厚い本なので、読み通せるか不安だったが、3分の1を過ぎるあたりから、またまた”巻を置く能わざる”状態になってきた。手に汗握る冒険小説だったのだ。
教科書で名前だけ知っていた「白村江の戦い」は今ではすっかり頭の中に映像で描ける。なお、荒山徹さんは『白村江』で第六回歴史時代作家クラブ賞を受賞されております。パチパチ!
そしてもう一つ付け加えるなら、荒山徹さんは私が2013年に講談社出版文化さしえ賞をもらった時の小説『長州シックス 夢をかなえた白熊』をお書きになった方なのです。

そしてさらに付け加えるなら、荒山さんは毎回「オトナの一休さん」の感想をツイッターで書いてくれるのです。だからって、お礼の意味で本を紹介しているわけではありませんよ。

スカーフと一休さん

みなさんGWいかがお過ごしですか?

私は今まで一度も有給休暇というのをもらったことがありません。バイト時代も今も、休みの日=無給なので、働かなくても金がもらえる有給休暇に憧れています。

一度だけ有給休暇がもらえるチャンスがありました。

10年ほど前キンコーズで半年だけバイトをしていた時のことです。キンコーズはちゃんとした会社なのでバイトにも有給休暇がつくことになってました。キンコーズは当時、求人をある人材派遣会社に委託していたので、私はキンコーズで働きながらも、その人材派遣会社からお給料をもらっていました。労働条件はキンコーズに直接雇用されている人と全く同じでした。

やっと半年が過ぎ、有給が5日ほどつくことになったので、どう使おうかと、楽しみにしていました。ところが、ちょうどそのタイミングで、キンコーズとその派遣会社は契約を解消してしまったのです。

派遣会社から電話がかかってきました。

「もちろん、伊野様には引き続き、キンコーズ様で働いていただけるのですが、そうすると伊野様とキンコーズ様とで再度契約を結んでいただくということになります」

「はぁ……ってことは今まで半年間働いて、やっと有給休暇がつくことになったんですが、それも白紙に戻るということですか?」

「そうですね。そういうことになります」

「え〜!私、有給休暇だけを楽しみに働いてたんですけどぉ〜」

というわけで、有給休暇はまぼろしと消え、ムカついたのでキンコーズを辞めてやりました。

さて、主に関西方面の方にお知らせです。

「しあわせのスカーフ」展

ウラン堂ギャラリー & galerie6c 合同企画展、30人のクリエイターによる正方形のメッセージ。苦楽園口駅前の2つのギャラリーを巡って楽しむ「しあわせのスカーフ」展というのに参加します。2017.5/10wed〜5/28sun

「しあわせのスカーフ」展はコチラ!

これはスカーフのデータ。古代中国をモチーフにしております。これはバンダナ。茂田井武をモチーフにしております。どっちも絵は使いまわしですけども。これは去年のマン・レイのスカーフとゴッホのバンダナ。

「ウラン堂」さんは『画家の肖像』の巡回展をやらせてもらったギャラリーです。

さて、『オトナの一休さん』見てますか?

友達も「あ、ごめん、最初は見てたけど、最近は忘れてた」とか「え、シーズン2もやってるの?」とか油断がならねぇ。

シーズン1は時系列にあまり関係なくエピソードを並べていましたが、シーズン2は時系列に沿って話が進むのです。だから1回たりとも見逃してはならないのでございます。

今日(5月2日)も夜10時45分から放送されるよ!今回は一休は兄弟子の養叟とマジで大喧嘩します!次週は、そんな兄弟子の養叟が死んじゃう!再来週はいよいよ応仁の乱がはじまる!これは見逃せない!でも5分間番組なので普通は見逃してしまう。だから毎週録画してね〜。

オトナの一休さんはコチラ!

 

オトナの一休さん2

本日4月4日(火)22時45分から『オトナの一休さん』のシーズン2がスタートします!シーズン2は二枠あって、放映日時は毎週火曜の22時45分毎週金曜の11時45分です。ついに健全なお昼の時間帯にも進出したわけです。

シーズン1が放映される前には、LINEニュースをはじめ各ネットニュースに取り上げられたり、ホリエモンがいいねと言ってくれたり、関係者一同、狂喜乱舞したものですが、シーズン2直前は静かなもんですねぇ……ていうか、宣伝が「他力本願」ですなぁ、仏教だけにね……。

というわけで、誰も見ていないに等しいこのブログでもガンバって宣伝いたします。

シーズン1では、如意庵の住職を請われた一休宗純が、商人たちとズブズブになっているお寺の実態に嫌気がさし、たった十日で住職をやめ、旅に出てしまうところで終わりました。

あれから半年後……狂った風とともに一休宗純は来たりぬ!(第十四則「帰ってきた一休さん」より)
シーズン1で憎めないクソジジイっぷりを見せつけてくれた一休和尚ですが、シーズン2でもそれは相変わらず。でも、室町という時代は、いま大流行のあの「応仁の乱」が待っています。
中公新書のベストセラー、呉座 勇一著『応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱 』はすでに28万部を突破し、20秒に1冊売れている!と、このまえ電車の広告で見ました。お読みになりましたか?
かくいう私もその1冊を買った者です。ちょうどタイムリーに『オトナの一休さん』で応仁の乱の絵を描くところでしたから。
しかし、自分に歴史の知識がなさすぎるのか、『応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱 』は大乱が始まるまでの文章がちょっと不親切で、よく分からない固有名詞や、似たような名前がポンポン出てきて、名前も最初はルビがふってあるのですが、次のページからはなくなってしまい、なんという読み方だったかわからなくなり、余計に頭に入ってこない。でも文章自体は読みやすく、ツルツルと読めてしまう。ハタと気づくと何も理解できていない……という具合で、何度か途中下車してやろうかと思いましたが、我慢して読みました。その甲斐あってか、大乱が勃発した後は、わりと面白く読めました。
他の「応仁の乱」の本と読みくらべたわけでないので、この新書がどれほど画期的なのか、自分ではよくわかりません。
それでも、一休宗純が生きた時代がどんな時代だったか、その一端をうかがうことはできましたし、読んで損ということは絶対になかった。ただ、これがなぜそんなにベストセラーになっているかわからなかっただけで……。
という話がしたかったわけではないのです。『オトナの一休さん』シーズン2ですよ。
シーズン2では、親しい人たちとの死別、先ほど言った「応仁の乱」による世の中の混乱、一休自身の老いなどがからまりつつフィナーレに向かっていくでしょう(まだ絶賛制作中です)。でも一休さんは人目を気にせず笑ったり、泣いたり、怒ったり、自分がわからなくなったり、恋に落ちたり……あの調子でやってますので、最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします!
(第十四則「帰ってきた一休さん」)より(第十五則「一休、自殺を図る」より)(第十六則「一休さんは強がり坊主」より)
登場人物・キャスト
一休宗純(いっきゅう・そうじゅん)=板尾創路/養叟宗頤(ようそう・そうい)= 尾美としのり/蜷川新右衛門(にながわ・しんえもん)=山崎樹範/弟子たち/=夜ふかしの会
スタッフ
作 ふじきみつ彦/絵 伊野孝行/アニメーション 野中晶史 飯田千里 幸洋子 円香/音楽 大友良英 マレウレウ

10月のオトナの一休さん

6月にEテレで3話だけ放送された『オトナの一休さん』がレギュラーになって帰ってくる!

毎週水曜日の午後10時45分から放送です(10月5日スタート)。5分間番組なので、なかなか気合を入れないと見逃してしまいますので、ぜひ毎週録画の予約を入れておいてください。
世に広まっている一休さん像とは、すなわちとんち小僧。有名なアニメにより日本だけでなく海外でも人気があるとか。
ところが史実の一休さんはポクチンはしません。ではどんな人だったかって?それを再びアニメ化して伝えるのが『オトナの一休さん』なわけです。%e4%b8%80%e4%bc%91%e7%94%bb%e5%83%8f1
いや〜、本当にスゴイっすよ史実の一休さんは。アニメとして脚色している部分は当然ありますけど、基としている文献に書かれていることがすでに滅茶苦茶なんですから。
私は脚本を読んで、ディレクターとアニメーターと相談しながら絵にしているわけですが、あまりに面白い人なので自然に一休研究をしたくなってきます。本当にこんな人がいたんだな〜と、感に打たれます。勉強するなら今でしょ、なんですけど、何しろ私一人でアニメの絵を全部描かなくちゃいけないんで、なかなか時間が取れません。%ef%bc%91%e5%89%87%e2%88%92%ef%bc%92%ef%bc%96
そんな私が、だいたい想像するにですね……禅がロックだとすると一休宗純はパンクかな?ロックンロールの本質を思い出せ!っていうのがパンク、だと私は理解しているのですが、『オトナの一休さん』を見ると一休さんが伝えたかった禅の本来の姿が解る?いや、それすらも飛び抜けて自由?……描いている私にも未だハッキリとは掴めません。
無縄自縛(むじょうじばく)という言葉が『オトナの一休さん』には時々出てきますが、「ありもしない縄で己を縛るな」というのが一休さんのメッセージです。
◯10月5日第一則「クソとお経」
弟子たちが読経をしているところに現れた一休さん。持ってきたのは、まだ湯気が立っているクソ。その下にはなんとお経が!%ef%bc%91%e5%89%87%e2%88%92%ef%bc%96%ef%bc%91%e5%89%87%e2%88%92%ef%bc%92%ef%bc%92
◯10月12日第二則「すずめの葬式」
涙を流しながら読経する一休さん。誰の葬式かと新右衛門がいぶかると、なんとかわいがっていたすずめの葬式だった!%ef%bc%92%e5%89%87-%e2%88%92%ef%bc%92%ef%bc%92%e5%89%87-%e2%88%92%ef%bc%91%ef%bc%92
◯10月19日第三則「思春期の一休さん」
新右衛門が一休さんのとんち小坊主エピソードをたずねると、兄弟子はそんなものは皆作り話だと否定。では本当の一休さんはどんな少年だったのか?
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◯10月26日第四則「ストリート禅問答」
一休さんと新右衛門が京の町を歩いていると、見知らぬ僧侶が禅問答を仕掛けてきた。「市中に隠ありや否や?(町の中で修行する僧などいるのか?)」さあ、一休はどう答えた?%ef%bc%94%e5%89%87%e3%83%bc%ef%bc%97%ef%bc%94%e5%89%87%e3%83%bc%ef%bc%98
第一則〜第三則は6月に放送されたのでご覧になった方もいらっしゃると思います。第四則はなんと一休さんが歌っちゃうもんね〜。もちろん作曲は大友良英さん。お楽しみに!
配役やあらすじ、スタッフ紹介、ディレクター藤原さんと脚本家ふじきさんへのインタビュー、などは下記の番組サイトでどうぞ〜。

プリンセスの物語

毎週ブログを更新すると決めてしまったので、仕方なく今週も更新します。

アクセス数も横ばいで、いつまでたっても無名なまま。有名になりたいなんて気持ちはとうに消えてしまったけど、それでも業界で生き残っていくには、ある程度名が知られていないと、仕事を頼むときに思い出してももらえない。

それに有名だと何かしら楽なところもあるのではないかと推測する。あつかいや何かの面で。

先日もとある展示のオープニングに行ったときに、平澤一平さんがそこにいた若いイラストレーター(女性)に

「あ、〇〇ちゃん、紹介するよ、伊野くんです、知ってるでしょ?」と紹介してくださったが「知りません」とにべもないお返事だった。

(いくら興味がなくても、せめて本人を目の前にしたら「すみません、存じ上げなくて。私〇〇と申します」くらい言うのがそういう時の八百長ではないんかい……)と内心では思ったが、自分の口からは

「いえ、知らなくて当然です。知ってる方がおかしいです。私は、無名な人間なので」という言葉がスラスラ出てきた。逆にペコペコ頭を下げておいた。

きっとこちらの内心などはバレバレだろうし、よくある出会いの一例にすぎないようなことも、サラッと流せない自分のこのウザイ性格が、ほとほと嫌なのであるが、同じ業界の若手にも認知されていないようでは、まだまだオレも頑張らねばならない……という燃料にもなるのである。

はい、今週の枕はこれにて終わり。書かなくてもいいことまで書いて、余計に人気がなくなっちゃうよ……。照手姫1今週はずいぶん前に描いた絵を載せます。去年の仕事です。主婦の友社から出ている「頭のいい子を育てる」シリーズ。今回の本は『お姫様や魔女がいっぱいでてくるおはなし』です。絵は『照手姫と餓鬼阿弥』より。照手姫3もう一つはギリシャ神話より『アドリアネーの糸』です。アリアドネ1アリアドネ2どちらもプリンセスが主役のお話です。はい、そんなわけで今週はネタに困ったから、アップする機会を失っていたものでお茶を濁しました。

ついでに告知。大阪の「オソブランコ」さんで『一筆箋展』が開催されています(台湾にも巡回するってさ)。私以外の参加者の皆さん、クォリティ高いです。「リソグラフ」という印刷機を使って作るのです。そうするといい感じのチープな出来になるのです。上が仕上がりで、下がデータ。ちょっと青の指定が濃すぎたな。ino3伊野B見本伊野A見本伊野C見本

「一筆箋展」

会場 オソブランコ
(大阪市浪速区幸町1-2-36 2F)
会期 2016年9月3日~30日
時間 12:00-20:00 (土日祝-19:00) 水曜、第二土曜休日
あともう一つ告知あった。
毎年恒例の銀座のリクルートG8で開かれているTISの展覧会も今日より始まります。今年は『158人の漱石 百年後ノ我輩、こゝろ、それから……』にも出品しています。
2016年9月6日(火)~ 10月6日

クリエイションギャラリーG8〒104-8001 東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F TEL 03-6835-2260

11:00 ~ 19:00  日・祝日休館  入場無料