「週刊金曜日」で月イチ連載の元週刊現代編集長、元木昌彦さんの「ギャンブル親父の業界地獄耳」最近は出版不況についてでした。元木さんが各業界のトップに直接取材して書かれる記事は、この業界で生きる自分にとっても他人事ではありません。「今の出版界の末期的症状から脱するにためには、再販委託制の改革が必要なことはいうまでもない。それなのにいまだに版元、取次、書店、三者が腹をわって話し合う「場」がないことに呆れ果てる。」と憤慨しておられます。本が売れないのに年間8万点といわれる新刊が出ています。
新刊洪水の中、三者の意見はまとまらないの図。新刊を出し続けることで版元は生き残れるカラクリがあるわけだが、これは自転車操業の悪循環でしかない。しかし、そのおかげでなんとか食いつないでいる人々もいる。イラストレーターも…。ほんとうにやりたい人だけが本や雑誌をつくるような状況になってほしい。そうなる前に社員はリストラ、フリーランスは廃業の憂き目にあうかもしれないけど。ずぶずぶ沈むのを待つしかないのであろうか…?山本夏彦翁!
雑誌「Number」の新連載、阿部珠樹さんの「NOW AND THEN スポーツ惜別録」にちいさいカットを描いてます。僕はまったくのスポーツ音痴(相撲はのぞく)、スポーツについての知識は「サンデーモーニング」の「週刊御意見番」だけで仕入れている人間です。そういった不安を抱えながらスタートしたこの連載、毎回編集者の方はていねいにちょっとしたまめ知識を書き添えて原稿を送って下さいます。惜別録、つまり引退した人やお亡くなりになった人をとりあげるのですが、文章とぴったり合わせると、毎回せつなくなっちゃうから、ちょっとしたユーモアを求められております。
第一回目は元ヤクルト高津臣吾選手の引退。高津選手くらいは僕も知っている。元ヤクルト→つばめと野球少年。
2回目はミハエル・シューマッハの引退。シューマッハも名前くらいは知っている。2度目の引退だそうですな。かつてレーサーだったおじいさんが車のオモチャで遊んでいる。
競走馬フランケルの引退。なんと14戦14勝だったというからすごいですね。競馬もやらないからまーったく知らなかった。
日本薬師堂で買い物をするリピーターのお客様のもとへ送られるマンスリーカードに、東海道五十三次を毎月ひとつづつ描いてます。老夫婦が旅している設定ですけどなにせ一月で一つの宿場しか進みませんからね、5月に日本橋をスタートして11月でまだ藤沢。京都につくまであと4年弱!、ま、のんびりいきましょう〜!(そのときまでこの連載が続くことを祈って)


老夫婦のこれまでの道のりはコチラです(click!)
小説新潮で読み切りの短編、神田茜さんの「カタログ」の扉絵を描きました。神田さんの「神田」というのは神田一門の神田、つまり講談師なのです。第6回新潮社エンターテイメント大賞も受賞されております。この短編小説を読んでいて最後に泣きました。物理的にしょっぱいものが目から出てきました。大人の話。ユーモアがある話。いつもの自分のタッチではこの小説の雰囲気をうまくあらわせそうになかったので、少し変えてみました。他人から見たらあまり代わり映えのしないものかもしれませんが…。